「仲値(なかね)」って、FX初心者にとってはちょっと難しい用語ですよね。
「FX東京時間の朝に動くのはなぜ?」「株価との関係もあるの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
FXでは、毎朝10時に決まる仲値という基準レートが相場の鍵を握ることがあり、
その時間帯には実需取引や金融機関の動きが集中しやすく、相場が一時的に活発化します。
この東京時間の朝の動きを読み取って狙うのが「仲値トレード」です。
株価やドル円の動きに注目するだけでも、トレードのヒントは増えていきます。
本記事では、
- 仲値の意味とFXでの重要性
- 仲値トレードの仕組みと狙い方
- FX東京時間に意識すべき時間帯やパターン
- 筆者のリアルな朝トレードのやり方
を初心者の方にもわかりやすく解説します。
東京時間の朝は、FXトレーダーにとって貴重な勝負時間です。
仲値の知識を取り入れて、朝のトレードをもっと戦略的にしてみませんか?
FXの仲値とは?意味と仕組みを解説

「仲値(なかね)」とは、FXや外貨預金などで使われるその日の基準となる為替レート
(TTM:Telegraphic Transfer Middle Rate)のことです。
この仲値は、主に銀行や企業が外国為替取引を行う際の参考価格として使われています。
仲値は銀行の為替取引の基準となるレートであり、TTS・TTBの算出にも使われます。
詳しくはSMBC日興証券の解説ページも参考になります。
■ 仲値はいつ決まる?
仲値は、日本の東京市場(FX東京時間)の午前10時頃に決定されるのが一般的です。
各銀行がその日の為替レートを提示するための基準価格として、9時55分の時点のレートをもとに算出されるケースが多いです。
そのため、仲値を決める前後の時間帯(9:00〜10:00)は、FX東京時間の中でも特に動きやすい時間帯として知られています。
こちらでFX東京時間を詳しく解説しております。
■ 仲値は誰がどうやって決めているの?
仲値は各銀行が独自に算出していますが、多くの場合は9:55のドル円レートをもとに、自動的に決定されます。
この基準レートを元に、TTS(電信売相場)やTTB(電信買相場)が計算され、
個人投資家の外貨預金レートや企業の輸出入決済にも利用されます。
■ なぜFXで仲値が重要視されるのか?
FXにおいて仲値が注目される理由は、仲値の決定に合わせて、実需の買い注文が集中する傾向があるからです。
特に、
- 輸入企業がドルを買う
- 銀行が顧客の取引に対応してドルを手当てする
といった本物の需要が発生することで、FX市場でも一時的に「ドル高・円安」が進みやすくなるのです。
この現象は、FXだけでなく株価との連動にも影響を与えることがあります。
特に、日経平均株価とドル円が相関するタイミングでは、仲値前後の値動きが大きくなる場面も少なくありません。
仲値は単なるレートではなく、「実需の動き」を反映する相場の支点としてFXでは非常に重要な存在です。
仲値トレードとは?どんな戦略?

「仲値トレード」とは、午前10時の仲値決定に向けたドル買い(円売り)の流れに乗る戦略です。
これはFXにおいて、東京時間の朝9時〜10時前後に実需の動きが強まりやすいことを活かしたトレード手法のひとつです。
■ 仲値トレードの基本的な考え方
毎朝、日本の銀行は企業からの注文(例:ドルでの輸入代金支払いなど)に対応するため、午前中に一定量のドル買いを行う必要があります。
そのため、特に午前9:00〜9:55ごろのドル円相場には、上昇バイアス(円安方向)がかかりやすくなると言われています。
この時間帯に「ドルが買われやすい傾向」があるなら、
→ その流れに先回りしてエントリーするのが仲値トレードです。
■ 特に注目されるのが「ごとう日(5・10日)」
仲値トレードでよく話題になるのが、「ごとう日(5・10・15・20・25・30日など)」です。
なぜかというと、この日は多くの企業がドル建ての決済を行う日であり、
→ 銀行のドル買いが普段よりも強くなる傾向があるからです。
ごとう日の午前中は、ドル円が買われやすくなる=上昇しやすくなるという統計的傾向があるため、仲値トレードを狙う絶好のタイミングと言えます。
■ 仲値トレードの手法・エントリータイミングは?
代表的な仲値トレードの流れは以下のようになります。
- 9:00〜9:20頃に相場を観察
- 株価(日経平均)の寄付きやドル円の方向感をチェック
- トレンドが出ていれば9:15〜9:30頃にロングエントリー
- ボリンジャーバンドや移動平均で方向性確認
- 9:55〜10:00前に利確(仲値発表で反転するケースがあるため)
この手法は、EA(自動売買)で組み込まれることも多く、FX東京時間を効率的に活用するロジックの代表例となっています。
仲値トレードは、ただの短期売買ではなく「銀行・企業の実需に乗る」というFXの本質に沿ったロジックです。
移動平均線とボリンジャーバンドの詳しい解説はこちらからご覧ください。
仲値って何時に決まる?どの時間を意識すべき?

仲値(なかね)は、原則として日本時間の午前10時に決定されます。
この「10時に決まる」というルールがあるため、FXの東京時間ではその前後の値動きが独特なパターンを見せることがよくあります。
■ 仲値は「9:55時点の為替レート」で決まる
銀行などの金融機関は、9:55のドル円レートをもとにその日の仲値(基準レート)を定め、
顧客への外貨両替や企業間の決済などに使用します。
このため、9:00〜9:55の間にドルが買われやすくなる傾向があるのです。
■ トレードにおける意識すべき時間は?
FXで仲値トレードを行う際に重要なのは、次の時間帯です:
時間帯(日本時間) | 意識するポイント |
---|---|
9:00〜9:15 | トレンド発生の兆しを観察(ローソク足・株価) |
9:15〜9:30 | ロングを仕込むかどうかの判断タイミング |
9:30〜9:50 | 買いが加速することもある(“実需”が動く時間) |
9:55〜10:00 | 仲値決定直前/利確を意識するライン |
トレードのチャンスは「9:00〜9:50」あたりに集中しています。
■ MT4(メタトレーダー)での時間のズレに注意
多くのFX業者のMT4では、サーバー時間がGMT+2(冬時間)やGMT+3(夏時間)になっているため、
日本時間と表示時間がズレていることがあります。
たとえば
- 日本時間9:55 → MT4では3:55 or 2:55になる場合あり
- EAや時間フィルターを使うときは、必ず「ブローカーの時差」を確認することが重要です
■ 仲値時間は価格の支点となる場面も多い
仲値が発表された後は、
- 上昇していたドル円が反落したり
- 株価との連動が切れたり
といった反転も起こるため、ポジションの手仕舞いも含めて「時間で区切る」意識が大切です。
仲値=10時に向けて動く力と10時で切れる可能性を持つ時間イベント
→ この性質を理解すれば、FX東京時間の朝のトレードがより論理的になります。
筆者の仲値トレード実践例
ここでは、筆者自身が実際に取り組んでいる仲値トレードの一例をご紹介します。
特別なインジケーターや難しい分析は使わず、東京時間の朝の値動きとごとう日の特徴を活かしたシンプルなルールです。
■ 基本ルール:朝の30分を「判断フェーズ」として使う
まずは、9:00〜9:30までは相場の流れを見る時間としています。
この時間帯に、以下の点を意識してチャートを観察します。
- ドル円が高値・安値を切り上げているか?(トレンド判断)
- 日経平均株価が上昇しているか?(リスクオン環境)
- 前日のNY市場が強かったかどうか?(流れの継続確認)
このように、まず方向性を決める材料を集めてからトレード判断に入ります。
■ ロングのエントリー条件(例)
以下のような条件が揃えば、9:15〜9:30の間にロングを仕込むことが多いです:
- 東京時間9:00以降にローソク足が切り上げて推移
- ボリンジャーバンドの中心線(ミドル)より上で推移
- 株価(日経平均)が寄付きから前向きに推移している
- ごとう日である(5・10・15…日)
※重要なのは、「全て満たさないとエントリーしない」のではなく、総合的に流れがあると判断したときに入ることです。
■ 利確と撤退の目安
利確は、原則として9:55〜10:00の間で一度手仕舞いします。
仲値が決まったあとに反転することがあるため、ポジションを引っ張りすぎないようにしています。
- 利幅は10〜20pips程度を目安
- トレンドが鈍い場合は建値付近で撤退もアリ
- 10時以降はポジションを持たない(東京時間の静けさに戻るため)
このように、「時間」と「傾向」に注目してエントリーと決済をルール化すれば、無駄な取引を減らしやすくなります。
この仲値トレード戦略は、裁量でもEAでも応用しやすく、午前中に集中してFXを管理したい方にもおすすめです。
まとめ|仲値を知れば、東京時間のFXトレードがもっと見えてくる

仲値とは、FXや外貨決済で使われるその日の基準レートのことで、東京時間の午前10時に決まります。
この仲値に向けて、実需のドル買いが集中する時間帯(特に9:00〜9:55)には、相場が独特の動きを見せるのが特徴です。
その流れに乗る「仲値トレード」は、特に条件がそろうと、比較的再現性の高い戦略となります。
- 仲値は「FX東京時間」の中でも注目のイベント
- 10時に向けたドル買い傾向を活かすシンプルなトレード手法
- 株価(日経平均)や全体の地合いを合わせて判断するのがポイント
筆者自身も、朝9時から30分間じっくり相場を見て、必要ならエントリー、10時までに利確というルールで運用しています。
仲値という相場の裏側の力学を知ることで、FX東京時間のトレードはより論理的に、戦略的に進められるようになります。
トレードに再現性を求める方や、朝の時間を有効に使ってFXで結果を出したい方は、ぜひ仲値トレードを取り入れてみてください。
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