押し目買いとは?FX・株で使えるトレンドフォロー戦略を解説!

押し目買いとは?FX・株で使えるトレンドフォロー戦略を解説! FXの解説

「押し目買いって、よく聞くけどどういう意味?」
「下がったら買えばいいってこと?」——そんな風に思ったことはありませんか?

押し目買いとは、上昇トレンド中の一時的な下落(=押し目)を買いのチャンスと捉える王道のトレード手法です。
FXでも株でも広く使われており、初心者からプロトレーダーまで幅広く活用されています。

相場は一直線には上がりません。上昇の中にも調整があり、そこで買いを狙うのが押し目買いの考え方です。
また、押し目を狙うロジックはEA(自動売買)にも多く組み込まれており、システムトレードにも適しています。

この記事では、押し目買いの基本から見極め方、裁量トレード・EAでの活用法、さらには筆者の実戦パターンまで、初心者の方にもにもわかりやすく解説します。


押し目買いとは?FX・株でよく使われるトレード手法

押し目買いとは?FX・株でよく使われるトレード手法

押し目買いとは、相場が上昇トレンドにあるときに、一時的に価格が下がったタイミングを「買いのチャンス」と捉えてエントリーする手法です。
この押し目は、上昇の波の中で一時的に発生する下げのことで、「調整」や「一服」と呼ばれることもあります。


なぜ押し目買いが使われるのか?

FXでも株でも、相場はずっと真っ直ぐに上がることはほとんどありません。
たとえ強いトレンドが発生していても、途中で必ず押し目が入る場面があるのです。

この「一時的な下げ」が、

  • 上昇トレンドに乗っている投資家が一部利確している場面だったり、
  • 新規の買い手が入り直すタイミングだったりするため、
    再び上昇する可能性が高くなります。

そのため、押し目を狙ってエントリーすれば、トレンドに逆らわずに利益を狙える順張り戦略となります。
押し目買いは、FXや株式投資の基本的な順張り戦略のひとつです。
株式の基本を学びたい方は、日本取引所グループの入門ページも参考になります。


押し目買いはEA(自動売買)でもよく使われる

この戦略はルール化しやすく、EA(エキスパートアドバイザー)でも多く採用されています。

たとえば、

  • SMA(単純移動平均線)より上に価格があり、
  • 一時的にSMAまで価格が下がってきたら買う、というロジック

このように、押し目買いは裁量トレードにも自動売買にも応用しやすい、FX・株共通の基本戦略なのです。

相場の流れに乗ることで、無理のないタイミングでエントリーできるのが押し目買いの魅力です。


押し目買いはなぜ有効?その背景にある相場心理

押し目買いは、単なる「下がったから買う」ではなく、トレンドに乗るための順張り戦略です。
この戦略が多くのトレーダーやEAで使われる理由は、相場参加者の心理構造にマッチしているからです。


相場はまっすぐには動かない

上昇トレンド中の相場でも、価格は必ず波を描くように上下しながら進行します。
この途中の下落(押し)こそが、

  • 一部のトレーダーが利益確定した場面であり、
  • 新しく買いを入れたい人たちが「入り直すタイミング」でもあります。

つまり、この押しのタイミングは、相場の流れに賛成する人たちが再度参加しやすいタイミングなのです。


「みんなが見ている場所」は反応しやすい

  • 押し目買いに適した価格帯(たとえば移動平均線やフィボナッチ38.2%など)
  • 多くのトレーダーが意識しているチャートポイント(キリ番、水平線など)

こうした注目されやすい価格帯では、買い注文が集まりやすく、実際に価格が反発しやすい傾向があります。

押し目買いは、こうした「相場参加者の集まりやすいタイミング」に乗ることで、優位性を持てる戦略なのです。

相場は「行って→戻って→また行く」ことが多い。
押し目買いは、その戻りに乗って、流れをうまく掴むための一手です。


押し目買いの見極め方【初心者向け】

押し目買いの見極め方【初心者向け】

押し目買いは「ただ下がったら買う」ではありません。
上昇トレンドの中の一時的な下げを見極めることが、成功のカギです。

ここでは、初心者でもすぐに活用できる「押し目の判断方法」を3つご紹介します。
FX・株どちらの相場でも共通して使えるテクニカル分析が中心です。


移動平均線(SMA・EMA)との位置関係で判断

最も基本的なのが、移動平均線(SMAやEMA)を基準にした押し目判断です。

  • 価格が移動平均線の上にある=上昇トレンド
  • 一時的に価格が移動平均線まで戻ったとき、し目として反発する可能性がある

このタイミングで反発の兆し(陽線、下ヒゲなど)が出れば、押し目買いのチャンスになります。

多くのEAでも、SMAやEMAを使った押し目エントリー条件がよく採用されています。


フィボナッチ・リトレースメントを使った判断

フィボナッチ・リトレースメントは、「どこまで戻りやすいか」を数値で予測できるツールです。

  • 上昇トレンドの安値から高値にフィボナッチを引く
  • 38.2%、50.0%、61.8%のラインが押し目候補

これらのライン付近でローソク足が反発しているなら、買いエントリーを検討できる場面です。


ローソク足の反発サインを見る(ピンバー・包み足など)

「価格帯は良さそうだけど、エントリータイミングが難しい…」
そんなときは、ローソク足の形状で反発の兆しを確認するのが効果的です。

  • 下ヒゲの長いローソク足(=ピンバー)
  • 大陰線のあとに陽線で包み込む(=包み足)
  • 直近安値を割らずに切り返す形

こうした反発のサインが出たときに入ることで、より根拠のある押し目買いができます。

押し目買いは「どこで買うか」よりも、「なぜそこを買うのか」を明確にすることで精度が上がります。


押し目買いと逆張りの違いに注意

押し目買いは「下がったところで買う戦略」ですが、逆張りとは明確に異なります。
初心者のうちはこの2つの違いを混同しがちですが、相場の流れを正しく理解するうえで非常に重要なポイントです。


順張りと逆張りの違い

  • 押し目買い=順張り
     すでに上昇トレンドが出ていて、その流れに乗るための買い(流れに沿う)
  • 逆張り=反転狙い
     下落トレンドの中で「そろそろ上がるだろう」と逆方向にエントリー(流れに逆らう)

押し目買いは、トレンドが出ていることが大前提です。
それに対し逆張りは、「今は下がってるけど、反転して上がるだろう」という希望的観測が含まれやすくなります。


なぜ押し目買いの方が安定しやすいのか?

  • トレンドに沿っているので、相場の流れに味方している状態
  • 多くの投資家やトレーダー(EAを含む)も同じ方向を見ているため、集団心理的にも優位性が高い

逆張りはリスクも大きく、「天井」「底」を正確に読まなければならない難しさがあります。
その点、押し目買いは「流れが続くならこのあたりで反発する」という再現性の高いパターンに絞ることができます。

EAでも逆張りより押し目買い型の方が、リスク管理しやすく安定運用しやすい傾向があります。

このように、押し目買い=安全な逆張りではなく、流れに乗る順張りという違いを意識することが、勝率アップにつながります。


EA(自動売買)で押し目買い戦略を使うには

押し目買いは、ルールが明確で再現性が高いため、EA(自動売買)にも非常に適した戦略です。
裁量では迷いや感情に左右されがちな“押し目の見極め”も、EAなら条件を数値化して自動で判断・エントリーできます。


移動平均線を使ったシンプルな押し目EA

最も基本的なロジックは以下のような形です

  • トレンド条件:価格がSMA(たとえば50期間)より上にある
  • 押し目条件:価格が一時的にSMAに接近(またはタッチ)
  • 反発確認:ローソク足が反発(陽線・ピンバー)であればロングエントリー

このようなロジックはMQL4やMQL5で簡単に実装でき、動作も軽いため、実践でも多く使われています。


RSIやボリンジャーバンドを併用するタイプも

押し目かどうかをより厳密に判断するために、オシレーター系指標を併用するEAもあります:

  • RSIが30〜50の範囲にあるときのみ押し目と判断
  • ボリンジャーバンドのミドルライン(20SMA)で反発しているかをチェック

こうした複数条件を組み合わせることで、だましを減らし、より精度の高い押し目買いが可能になります。


EAで押し目買いを行うときの注意点

  • 押し目の見誤りによる連続損失を防ぐために、フィルター(上位足のトレンド確認など)を設ける
  • 押し目だと思っていたが、実際はトレンド終了だったというケースを回避するには、最大損切幅や撤退条件をしっかり設計
  • レンジ相場では押し目が機能しにくいので、その判定ロジックも重要

EAは「押し目っぽいところを機械的に拾っていく」優秀な道具。
ただし、相場環境を選ばずに使うと逆効果になることもあるため、バックテストやフォワード検証が必須です。


押し目買いがうまくいかない時の注意点

押し目買いがうまくいかない時の注意点

押し目買いはトレンドに沿った有効な戦略ですが、常に成功するわけではありません。
「押し目だと思ったら、ただのトレンド終了だった…」というケースは、FXでも株でもよくある失敗パターンです。

ここでは、押し目買いが機能しづらい相場環境と、その見極め方について解説します。


相場がレンジ(横ばい)のとき

押し目買いはトレンドフォロー型の戦略なので、相場に方向性がないと機能しづらくなります。

  • 価格が移動平均線を上下に行ったり来たりしている
  • 高値と安値が更新されていない状態が続いている

こうしたレンジ相場では、押し目と思って買っても反発せず、すぐ下抜けるリスクがあります。

トレンド発生中かどうかを判断するために、「上位足の方向」や「ダウ理論の高値・安値更新」などを確認しましょう。


押し目ではなくトレンド転換だった場合

上昇トレンドの中の一時的な下げだと思って買ったら、実はすでにトレンドが終わっていたというケースもあります。

この見誤りを防ぐには:

  • 上昇中の直近安値を割っていないか?
  • 高値更新が止まっていないか?
  • 複数の時間足で方向が一致しているか?

を確認するのが有効です。


EAで押し目買いを使う場合のリスク

EAに押し目買いロジックを組み込んだ場合、
「トレンドが終わったことに気づかず、何度もエントリーして損切りを繰り返す」ことがあります。

この対策としては:

  • 連敗数による取引停止
  • トレンド判断フィルターの導入
  • 一方向に価格が進みすぎた時の取引停止ロジック

などを組み込むことで、ナンピン地獄や連敗リスクを軽減できます。

押し目買いが有効なのはトレンドが出ている時だけ。
トレンドが終わったてる条件がみつかったら取引終了し追いかけすぎない事も大切です。


筆者が使っている押し目買いの具体例

ここでは、筆者が実際にFXで使っている押し目買いのシンプルなやり方をご紹介します。
特別なインジケーターは使わず、誰でもチャートで確認できる方法です。


■ 使う時間足と全体の流れ

まずは大きな流れ(トレンド)を見て、次に細かいタイミングを取ります。

4時間足で上昇トレンドを確認する
  1. 4時間足で上昇トレンドを確認する
     → 高値と安値が少しずつ切り上がっていればOK
     → SMA(50)の上で価格が推移していれば“上昇中”と判断
  2. 15分足で押し目のタイミングを探す
     → 価格が一時的に下がって、移動平均線(SMA)に近づいてきたら注目

■ エントリータイミングの見つけ方

押し目候補のポイントで、次のような反応が出たらエントリーを考えます。

15分足で押し目のタイミングを探す
  • ローソク足が下ヒゲで反発している
  • 前の陰線を陽線で包むような形(包み足)
  • キリ番や水平線に近づいている(例:145.000など)

このような買い支えの形が出たら、次の足で買いエントリーします。


■ 利確と損切りの決め方

利確と損切りの決め方
  • 【利確】:直近の高値 or リスクリワード1:1くらいで固定
  • 【損切り】:直近の押し安値の少し下

ルールを守ることで、判断に迷わず安定して押し目を狙えます。


■ この手法のポイント

  • 4時間足で流れを見る → 15分足でタイミングを取る
  • 反発しそうな形を確認してからエントリー
  • 戻らなかったらすぐに損切りして深追いしない

この方法は裁量トレードだけでなく、EA化(自動売買)にも向いているシンプルな戦略です。

「今は上昇の途中」「下がったけどまだトレンド中」そんな場面で、冷静に“押し目”を拾うイメージです。


まとめ|相場の流れに乗る押し目買いを武器にする

押し目買いは、相場の流れ(=トレンド)に乗るための基本的な戦略です。
FXでも株でも、価格はまっすぐに上がり続けることはなく、必ず“調整(押し)”を挟みながら動いていきます。

この押しのタイミングで買うことで、

  • トレンドに沿ってリスクを抑えたエントリーができる。
  • 少ない値幅でも効率よく利益を狙えるのが大きな魅力です。

また、押し目買いはルール化しやすいため、自動売買(EA)にもよく使われるロジックのひとつです。

ただし、以下のような点には注意が必要です。

  • 押し目と見せかけて、実はトレンドが終わっていた
  • レンジ相場では押し目買いが機能しにくい
  • どこで損切りするかの基準が曖昧だと損が大きくなる

だからこそ大切なのは、「今の相場は上昇中か?」「ここは本当に押し目か?」という判断を丁寧に行うこと。

筆者のように、

  • 上位足でトレンドを確認する
  • 下位足で反発の兆しを見てエントリーする
    というシンプルなルールを持っておくだけでも、押し目買いの精度はグッと上がります。

押し目買いは、相場の流れに乗るための王道。
トレンドが続く限り、しっかり待って、しっかり拾う。
これを身につければ、FXでも株でも安定したトレードができるようになります。

こちらの記事もご覧ください。

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