「RSIってよく聞くけど、どうやって使うの?」「設定はそのままでいいの?」
そんな疑問を持っているFX初心者の方も多いのではないでしょうか。
RSI(相対力指数)は、FXはもちろん株式投資や自動売買(EA)の世界でも広く使われている、定番のテクニカル指標です。
特に「買われすぎ・売られすぎ」を数値で判断できる点が、視覚的でわかりやすく、初心者にも人気の理由です。
この記事では、RSIの基本的な仕組みから設定方法、実際の使い方までを初心者向けに丁寧に解説します。
裁量トレードはもちろん、EAに組み込む際のヒントとしても役立つ内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。
FXテクニカルRSIとは?

RSI(Relative Strength Index:相対力指数)は、チャート上で「相場が買われすぎか、売られすぎか」を教えてくれる定番のテクニカル指標です。
ここからは、RSIがなぜ初心者におすすめなのか、その理由を具体的に解説していきます。
なぜ初心者におすすめなのか?
FX初心者にとって、どこでエントリーすれば良いのか、どこで利確や損切りをすべきかを判断するのは難しいもの。
そんなときに役立つのが、相場の“過熱感”を数値で示してくれるRSIです。
RSIは0〜100の範囲で推移し、「70以上は買われすぎ」「30以下は売られすぎ」といったシンプルな目安で判断できます。
視覚的にも分かりやすく、複雑な知識がなくても扱えるのがポイントです。
また、EA(自動売買)への組み込みも簡単で、数値をもとにしたロジックを作りやすいのもメリット。裁量トレードでも、EAでも、RSIは活躍の場が広いインジケーターです。
RSIは「相場の過熱感」を示すインジケーター
RSIの本質は、「今の相場は買われすぎているのか、売られすぎているのか」を数値で可視化することにあります。
これにより、反発や反落の兆候をいち早く察知することができます。
RSIは0〜100の範囲で推移し、一般的には以下のように判断されます:
- 70以上:買われすぎ(売りサイン)
- 30以下:売られすぎ(買いサイン)
たとえば、RSIが70を大きく超えている状態は、短期的に価格が上がりすぎて“過熱状態”にあることを示します。逆に30を下回っていると、売られすぎによる反発の可能性が出てくる、というわけです。
もちろん、これだけで即エントリーするのは危険ですが、「今の相場の状態を客観的に判断する材料」として非常に役立ちます。
RSIの設定方法【TradingView編】
RSIを使うには、まずチャートにインジケーターを表示させる必要があります。
ここでは、無料で利用できるチャートツール「TradingView(トレーディングビュー)」を使って、RSIの設定方法を解説します。
RSIを表示する手順
TradingViewで任意の通貨ペアのチャートを開く
①画面上部の「インジケーター」ボタンをクリック
②検索バーに「RSI」または「Relative Strength Index」と入力

③表示されたRSIをクリックして追加
④これで、チャート下部にRSIが表示されるようになります。

初期設定(期間14)のままでOK?
RSIの初期設定では、期間「14」がデフォルトになっています。
これは、過去14本のローソク足からRSIを計算するという意味です。
この設定は多くのトレーダーが使っている標準的な値なので、初心者はまずこのまま使うのがおすすめです。
ただし、スキャルピングや短期売買を行う場合は、期間を9や7など短めに設定することで、より敏感な値動きを捉えることもできます。
反対に長期トレードでは期間を21や25に設定してダマシを減らすこともあります。
ワンポイントアドバイス
RSIの数値が30以下だから買い、70以上だから売りと、単純に考えてしまうのは危険です。
RSIはあくまで「過熱感のサイン」を示すものであり、反発や反落を確実に保証するものではありません。
たとえば、強い上昇トレンドの中ではRSIが70を超えたまま推移することも珍しくなく、「買われすぎ」と判断して逆張りで売ると大きな損失につながることもあります。
大切なのは、RSIのシグナルと「実際の値動きの兆候(ローソク足の動きや他のテクニカル)」を組み合わせて判断することです。
RSIの効果的な使い方と見極めポイント

RSIはとても便利なテクニカル指標ですが、使い方を間違えると“ダマシ”に引っかかる原因にもなります。ここでは、RSIを効果的に使うための基本的な考え方や、実際に使う上での見極めポイントを解説します。
トレンド相場よりもレンジ相場で力を発揮
RSIは逆張りとの相性が良い指標です。
そのため、相場が横ばいに推移するレンジ相場では、特に威力を発揮します。
- RSIが30以下で反発 → ロング(買い)を検討
- RSIが70以上で反落 → ショート(売り)を検討
といったシンプルな使い方が可能です。
一方で、トレンド相場ではRSIが効きにくいという特性もあります。
たとえば、強い上昇トレンド中にRSIが70を超えても、その後さらに上昇が続くケースも多く、安易な逆張りは危険です。
トレンド相場では「RSIは無視して順張り」が基本。レンジ相場でこそ逆張りに活かせる!
RSIの「ダイバージェンス」に注目する
RSIを使ったトレードで、もう一歩踏み込んだテクニックが「ダイバージェンス(Divergence)」の活用です。
これは、価格の動きとRSIの動きが逆方向になっている状態を指し、トレンドの勢いが弱まってきたサインとして注目されています。
ダイバージェンスとは?
通常、価格が上昇すればRSIも上昇し、価格が下落すればRSIも下がるのが自然な動きです。
しかし、価格とRSIの動きが一致せずに逆行した場合、それは「価格が限界に近づいている可能性」を示唆します。
具体的には以下のようなパターンがあります。
- 強気のダイバージェンス(反発サイン)
→ 価格は安値を更新しているが、RSIは切り上がっている
→ 売りの勢いが弱まり、上昇への転換が近い可能性 - 弱気のダイバージェンス(反落サイン)
→ 価格は高値を更新しているが、RSIは切り下がっている
→ 買いの勢いが鈍り、下落に転じる兆候
ダイバージェンスを見つけるコツ
- チャートにトレンドラインを引いてRSIと比較する
→ 価格の高値・安値ラインと、RSIの山や谷を比べることで発見しやすくなります。 - トレンドの終盤や節目の価格帯でよく現れる傾向がある
→ 水平線やキリ番と組み合わせて使うと効果的です。
注意点
- ダイバージェンスが出たからといって、必ず反転するとは限りません。
→ 一時的に横ばいになるだけ、ということもあります。 - エントリーのタイミングは、ローソク足の形やサポートラインなど他の要素と組み合わせて判断することが重要です。
RSIを使った実際のエントリー例

RSIは「数値が〇〇だから売り・買い」という単純な指標ではありません。
**チャートの形状や他のテクニカル要素と組み合わせることで、効果を発揮する“補助的な指標”**と考えるのが基本です。
ここでは、RSIを実際のエントリー判断に活かすための代表的なパターンを、注意点とあわせて解説します。
パターン①:RSI30以下での反発を狙う(逆張り)
レンジ相場や下落の一服を狙った逆張りパターンです。
【シナリオ例】
- RSIが30以下に下落し、「売られすぎ」の水準に達する
- 価格が直近安値付近で下ヒゲを出しながら反発
- RSIが30を再び上回ったタイミングでエントリー
- 損切りは直近安値の少し下に設定
- 利確目標は、レンジの上限や直近高値、リスクリワード比1:2など
ポイントと注意点
- RSIが30を下回っただけでは「エントリー時期」とは限らない
- 価格の反発サイン(例:長い下ヒゲ、陽線包み足など)とセットで判断する
- 明確なトレンド相場では逆張りは危険。必ずレンジ局面を想定して使う
パターン②:RSI70以上での反落を狙う(逆張り)
価格が上昇しすぎている局面での戻り売りを狙うパターンです。
【シナリオ例】
- RSIが70を超え、「買われすぎ」状態に
- 価格が高値を更新できずに横ばい or 下落の兆候を見せる
- RSIが70を下回る or 高値切り下げの形が見える
- ショート(売り)エントリー
- 損切りは直近高値の少し上
- 利確は押し目ポイントやリスクリワードで調整
ポイントと注意点
- RSI70以上だからといって即売りはNG。強いトレンドでは高値更新が続く
- 「高値圏でのもみ合い」や「ローソク足の反転形状」が出てから判断
- RSIが徐々に下がり始めたタイミングが目安
共通の注意点
- RSIの数値だけで機械的に売買しないこと
- トレンドが出ているか、レンジかを先に判断すること
- 損切りポイントを明確にしておくこと(逆張りは外れたときの損が大きくなりやすい)
RSIはあくまで補助ツール。
価格帯やローソク足の動き、他の指標と組み合わせて判断すると、勝率が安定します。
他のテクニカルとの組み合わせ:水平線編
RSIを単体で使うよりも、他のテクニカル指標や価格帯分析と組み合わせることで精度は大きく向上します。
なかでもおすすめなのが、水平線(サポートライン・レジスタンスライン)との併用です。
こちらの記事で水平線について詳しく説明しております。
組み合わせ例①:RSI+水平線の反発ポイントで逆張り
たとえば、以下のようなパターンでは強い反発が期待できるシグナルになります。
- RSIが30以下で「売られすぎ」
- 価格が過去何度も反発したサポートラインに接近
- ローソク足が下ヒゲをつけて反転の兆候
このような場面では、「数値(RSI)」「価格帯(水平線)」「値動き(ローソク足)」の三拍子がそろい、エントリーの根拠として非常に強いと考えられます。
組み合わせ例②:RSIのダイバージェンス+水平線のブレイク狙い
- RSIが価格と逆行(ダイバージェンス)している
- 水平線(サポート or レジスタンス)を抜けそうな動き
- → トレンド転換のタイミングで順張りエントリー
このように、RSIを**“逆張り専用”としてだけでなく、トレンド転換を捉える材料**として使うこともできます。
裁量でもEAでも使いやすい組み合わせ
この「RSI+水平線」は、視覚的にもシンプルでわかりやすく、初心者の裁量トレードにも最適。
また、数値化・ルール化しやすいため、EA(自動売買)にも落とし込みやすいというメリットもあります。
「RSIの数値」+「水平線の価格帯」=精度の高い判断材料!
RSIを使ったトレードの注意点

RSIはとても便利な指標ですが、「どんな相場でも効く万能ツール」ではありません。
ここでは、RSIを使う際によくある失敗例や、実践で気をつけたいポイントを紹介します。
ヒゲと実体、どちらを基準にするかを明確に
RSIのシグナルとあわせて反発ポイントを探すときは、価格のどこで反応しているかを意識することが大切です。
- ローソク足のヒゲ(高値・安値)で反応しているのか
- ローソク足の実体(始値・終値)で止められているのか
この基準が曖昧なままだと、「反発したと思ったら抜けた」「止まったと思ったらまだ動いた」といった誤判断につながります。
自分の中で「ラインはヒゲを基準に引く」「実体での反応を優先する」など、ルールを統一しましょう。
短期足(1分足・5分足など)は使いすぎない
RSIはどの時間足でも表示できますが、短期足ではノイズ(無意味な動き)が多く、ダマシが頻発します。
特に1分足や5分足などでは、RSIがすぐに上下に動き、過信すると連続で負ける可能性もあります。
RSIを使うなら、15分足以上がおすすめ
(初心者はまず1時間足や4時間足で練習するのが安全)
「このラインは絶対に効く」という思い込みに注意
RSIが30や70の水準に達したからといって、必ず反発・反落するわけではありません。
また、サポートラインやレジスタンスラインも、あくまで効きやすい場所であり、絶対ではないのです。
「RSIが30だから買い」「この水平線は過去に効いたから反発するはず」といった思い込みによるエントリーは危険です。
あくまで複数の根拠を組み合わせて判断することが重要です。
相場によって効く時・効かない時がある
- レンジ相場 → RSIが効きやすい
- トレンド相場 → RSIが効きにくい、逆張りは危険
このように、RSIの効果は「今の相場状況」に大きく左右されます。
必ず「今はレンジか?トレンドか?」を先に判断してから、RSIを当てはめるようにしましょう。
ラインはゾーンとして見ると判断しやすい
RSIの水準や水平線の位置を「ピンポイント」で見ると、少し抜けただけで「失敗した!」と焦りやすくなります。
- RSIが32で反転しても、それは30付近での反発
- 水平線を少し抜けても反発ゾーン内での動きかも
このように、ラインや数値は「ゾーン(幅のあるエリア)」としてとらえることで、柔軟で実践的な判断ができるようになります。
RSIは「数値の判断」ではなく、「相場の状態を読むための補助ツール」。
単独で使わず、価格アクションや他のテクニカルと組み合わせて活用しましょう!
まとめ
RSI(相対力指数)は、相場の「買われすぎ・売られすぎ」を数値で判断できる便利なテクニカル指標です。
FXはもちろん、株式や自動売買(EA)でも広く使われており、シンプルな構造で初心者にも扱いやすいのが特徴です。
RSIを使う際の基本は、70以上で「買われすぎ」、30以下で「売られすぎ」と判断する逆張りの発想です。
ただし、数値だけに頼ったトレードは危険であり、ローソク足の形や水平線と組み合わせて使うことで精度が高まります。
さらに、価格とRSIの動きが逆行する「ダイバージェンス」にも注目することで、トレンドの転換点をいち早く察知するヒントが得られます。
このようにRSIは、今の相場がどういう状態かを読み取るための優れた補助ツールとして非常に有効です。
どんなテクニカル指標にも言えることですが、RSIも万能ではありません。
その特性と弱点を理解したうえで、相場環境に応じて使い分けることが、勝ち続けるための第一歩になります。
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