「損切りって、どこで判断すればいいの?」
「毎回、損切りが遅れて大きな負けに…」
そんな悩みを持つFXトレーダーは少なくありません。
特に初心者のうちは、損切りのタイミングやルールが曖昧で判断に迷いやすいものです。
損切りは、FXでも株でも守りのトレードに欠かせないスキル。
うまく損切りができるようになると、たとえ勝率が低くても資金を守りながら着実に戦えるようになります。
本記事では、以下のような疑問に答えながら、損切りの基本と目安、ルールの立て方や筆者の実践方法までを丁寧に解説します。
- 「損切りってそもそも何?」
- 「どこまで我慢して、どこで切るべき?」
- 「どうやってルールとして決めればいい?」
筆者自身も、最初は損切りが苦手でした。
ですが、エントリーする前に損切りラインを決める習慣をつけたことで、トレードの安定性が一気に増した経験があります。
トレードで大切なのは、「どこで損切るか」を決めてから入ること。
本記事で、自分に合った損切りの考え方を一緒に見つけていきましょう。
FXの損切りとは?

「損切り(そんぎり)」とは、自分の思惑と反対に相場が動いたときに、損失を確定してポジションを手放す行為のことです。
損を確定するのは心理的につらいものですが、それ以上の損失を避ける防御のために必要な行動です。
■ なぜ損切りが必要なのか?
トレードにおいて、すべてのポジションが利益になるとは限りません。
仮に「今回はもう少し待てば戻るかも…」と考えて損切りを先延ばしにすると、
結果的に損失が拡大し、1回のトレードで資金の大部分を失うことにもなりかねません。
だからこそ、ルールとして「ここまで逆行したら損切りする」と決めておくことが大切です。
■ FXと株、どちらも基本は同じ
損切りの考え方は、FXでも株でも共通しています。
ただし、FXではレバレッジ(少ない資金で大きな取引)を効かせることができるため、
ほんの数十pipsの逆行でも大きな損失になるリスクがある点には注意が必要です。
特に自動売買(EA)やMT4でのトレードでは、あらかじめ損切り幅を設定しておくことが基本です。
設定しないと、EAが含み損を抱え続けてしまい、資金管理が崩壊するリスクもあります。
■ 損切りは「弱さ」ではなく「強さ」
損切りがうまくできない人の多くは、「負けを認めたくない」「もう少しで戻るかも」といった感情で判断してしまいがちです。
ですが、感情を排除して損切りできる人ほど、トレードで長く生き残れます。
損切りは、自分のトレードを守るための「ストッパー」
思い切って切ることが、むしろ勝つための第一歩になります。
FX損切り目安は?

損切りの目安は、初心者にとって最も悩ましいポイントのひとつです。
「どこまで耐えるべき?」「どのくらい逆行したら切る?」という判断は、あらかじめルール化しておかないと、感情的な判断に流されやすくなります。
■ 初心者におすすめの損切り目安は?
損切りの基準がないと、ポジションをずるずる引っ張ってしまい、結果的に大きな損失になってしまうことも。
以下は、USD/JPY(ドル円)を想定したトレードスタイル別の損切り目安です。
トレードスタイル | 目安の損切り幅(pips) | 備考 |
---|---|---|
スキャルピング | 5〜10pips | 数分で決済する超短期トレード向き |
デイトレード | 10〜70pips | 数時間以内に完結。東京時間にも適応しやすい |
スイングトレード | 50〜200pips | 数日〜数週間保持する中長期トレード |
※スプレッドを考慮し、損切り幅が狭すぎるとノイズで刈られるリスクもあるため注意が必要です。
■ 損切りは「チャートの根拠」に基づいて決めよう
値幅だけでなく、テクニカル的な根拠がある場所に損切りラインを置くことが重要です。
たとえば:
- 直近の高値・安値の少し外側
- サポート・レジスタンスラインのやや外側
- ボリンジャーバンドの±2σの外側
- 移動平均線やトレンドラインを明確に割った場合
このようなラインの外に損切りを置けば、
「一時的なヒゲ」では切られにくくなります。
こちらの記事で詳しく解説
↓
ボリンジャーバンドとは?設定方法とは?
FXテクニカル移動平均線とは?設定方法は?
■ 自分に合った損切り幅を見つけるには?
損切り幅は、その人の資金量・性格・トレードスタイルによって最適解が変わります。
- 少額資金 → なるべくリスクを抑える狭めの損切り
- 勝率よりリスクリワード重視 → 広めの損切りで利確幅も大きく
- EA運用 → バックテストで最適なStopLoss値を検証して決定
また、「1トレードあたりの許容損失額」から逆算してpipsを決める方法も有効です.
(例:口座残高5%以内におさまるpips数を計算)。
他人の設定を真似するよりも、「自分にとって継続できるリスク幅」を探す意識が大切です。
FX損切りの設定方法は?

FXで損切りを成功させるには、「ルールに基づいて、事前に明確なラインを決めておくこと」がポイントです。
ここでは、初心者にも取り入れやすい3つの裁量的な損切り設定パターンをご紹介します。
テクニカルラインを使う損切り(王道)
最も基本的な方法が、直近の高値・安値を基準に損切りラインを設定する方法です。
- ロングなら「直近の安値の下」
- ショートなら「直近の高値の上」
加えて、以下のようなラインも参考になります:
- トレンドラインの下抜け/上抜け
- サポートライン・レジスタンスラインの外側
- ボリンジャーバンドの±2σの外側
この手法のメリットは、見える根拠があるため判断がしやすいこと。
ただし、ラインが曖昧なレンジ相場では損切りが頻発することもあるため注意が必要です。
時間で区切る損切り(東京時間トレードに◎)
値幅だけでなく、エントリー後に◯分経っても想定通りに動かなければ損切りといった、時間を軸にする方法も有効です。
たとえば:
- エントリーから15分以内に含み益にならなければ撤退
- 10:00を過ぎても揉み合っていたらいったん手仕舞い(東京時間想定)
これは、時間帯ごとの相場の動きのクセを活かす考え方です。
動かない=シナリオと違うという判断で撤退するので、感情を排除した損切りがしやすくなります。
許容リスク金額から逆算する損切り
「どこまで耐えられるか」ではなく、いくらまでの損失なら納得できるかから逆算する方法です。
たとえば:
- 1回のトレードで失っても良い金額=口座残高の5%
- 残高10万円なら:%=5,000円 → ロット数とpips幅を計算
計算式:
許容損失金額 ÷(1pipsあたりの損失額)
=損切り幅
この方法の最大のメリットは、自分の資金に合った安全な損切りを徹底できることです。
損切り幅が狭くなりすぎる場合は、ロットを下げる/損切り幅を広げて再調整する柔軟性も必要です。
どの方法を選ぶにせよ、「感情ではなく、事前の計画に基づいた損切り」を実行することが、資金を守るカギです。
FX損切りルールとは?
損切りを成功させるには、「どこで切るか」だけでなく、どう切るかをルール化することが重要です。
トレードのたびに損切りの判断がブレていると、損小利大どころか、感情的な連敗を招いてしまいます。
■ なぜ損切りルールが必要なのか?
- 相場は常に変化するため、「今回はいけるかも」という気持ちが出てきやすい
- 損切りが遅れると、損失が大きくなりやすい
- 一貫性のない損切りは、過去の検証や振り返りが困難
そのため、「自分の中で納得できるルールを一つ決めておくこと」が、トレード力の安定につながります。
■ 初心者にもおすすめの損切りルール例
損切りルール例 | 解説 |
---|---|
エントリー時に必ず損切りラインを決める | 損切りがない状態でのトレードは絶対にしない |
チャート根拠が崩れたら即撤退 | トレンドライン割れ、レンジブレイク失敗など |
損失額が資金の○%に達したら撤退 | 例:1回の損失は口座の5%以内に収める |
一日2連敗したら、その日は終了 | メンタル崩壊防止。ルール違反を未然に防ぐ |
■ 実際にルールを守るコツ
- 毎回、エントリー前に損切り位置をノートにメモしておく
- 「損切りした自分を褒める」習慣をつける
- ルール違反した日は、その理由と感情を振り返って記録する
→ このサイクルを繰り返すことで、感情に流されない安定した損切り判断が身につきます。
損切りは、ルールさえ決めてしまえば自動的に実行できる行動になります。
相場に合わせるのではなく、自分のルールに沿って動くことで、トレードがぶれなくなります。
FX損切りの計算方法は?

損切りラインを「感覚」で決めてしまうと、気づかないうちに大きなリスクを取りすぎていることがあります。
そこで重要なのが、損切りを金額ベースで計算する習慣です。
ここでは、リスクを数値化して安全にトレードをするための計算方法を解説します。
■ 計算ステップ①:許容損失額を決める
まずは「1回のトレードで最大どれくらい負けてもいいか?」を決めます。
- 推奨:口座資金の1〜5%以内
- 例)10万円の資金なら、1%=1,000円が許容損失額
■ 計算ステップ②:損切り幅(pips)を決める
次にチャートを見て、根拠のある損切りラインまでの距離をpipsで計測します。
- 例)ロングポジションでエントリー価格から直近安値までが「25pips」なら、損切り幅は25pips
■ 計算ステップ③:ロット数を計算する
計算式:
ロット数 = 許容損失額 ÷(損切り幅 × 1pipsあたりの損失額)
簡単な例:
- 許容損失額:1,000円
- 損切り幅:25pips
- ドル円1pipsあたりの損失(1万通貨):約100円
→
ロット数 = 1,000円 ÷(25pips × 100円)= 0.4Lot(4,000通貨)
■ 自動計算ツールやスプレッドシートも便利
毎回計算するのが面倒な場合は:
- 「Lot計算ツール(pips × 許容損失)」で検索
- Googleスプレッドシートで自作する
- トレード日記アプリなどの計算機能を活用する
これらを使うと、直感に頼らず毎回同じ基準で損切りを決めることができます。
損切りを「自分の許容範囲」にコントロールできれば、トレードの安定感が格段に上がります。
計算を習慣にすれば、無理のないロットで冷静に判断できるようになります。
筆者の実体験|損切りを決めてからポジションを持つ
筆者もFXを始めた頃は、「損切りが苦手」でした。
負けを認めたくなくて、含み損のまま耐えて…結果的に大損という経験を何度も繰り返しました。
でも、ある時からルールを一つ決めました。
それが「エントリーする前に、損切りポイントを必ず決めておく」ということ。
■ エントリー前に損切りを決めると、心がブレない
最初に損切りを決めておくことで:
- 「どうなったら切るか」を明確にできる
- 「逆行したけど、ここまでなら許せる」と割り切れる
- 損切りしても「ルール通り動けた」と納得できる
→ この3つがそろうと、トレードに対するストレスが一気に減ります。
■ 筆者が実際に使っている損切り戦略
たとえば、筆者は以下のような損切りスタイルを実践しています:
- 直近の高値・安値の外側に、ヒゲ1本分の余裕を持たせて損切りラインを設定
- 自分が許容できる損失額からロットを逆算(1回の損失は口座残高の5%以内)
- 損切りにかかった日は、その理由と状況をメモする(学びの振り返りに)
このルールを徹底してからは、大きな損失を出すことが減り、トータルで資金が安定するようになりました。
■ 読者へのヒント:負けても「損切りができた自分」を評価しよう
損切りが続くと、「自分のトレードがダメなのかも」と不安になります。
でも実は、損切りできたという行動こそが一番大切な勝ちパターンへの近道です。
最初のうちは、トレードに勝つことよりも、
「決めた損切りでちゃんと切れた自分を褒める」
これが一番の成長ポイントです。
FAQ|よくある質問と回答

Q1:損切りって本当に必要ですか?負けた気がして嫌なんですが…
▶︎ A:損切りは負けではなく、資金を守る戦略です。
むしろ損切りできずに大損する方が、メンタルにも資金にもダメージが大きくなります。
勝っているトレーダーほど、ルール通りの損切りを淡々とこなしています。
Q2:損切り後に反発して戻ることが多くて悔しいです。どうすれば?
▶︎ A:「刈られにくい場所」に損切りを置く工夫が必要です。
ラインのピッタリ外ではなく、少し余裕(ヒゲ1本分など)を持たせたり、
損切りポイントの根拠をチャートの流れや時間帯から精査することで無駄な損切りは減らせます。
Q3:勝率は高いのに損切りすると全体の成績が悪くなります…
▶︎ A:損切りの幅とリスクリワード比が合っていない可能性があります。
勝率が高くても、利確が小さくて損切りが大きければ、トータルで負けてしまうことも。
「利確:損切り」が1:1.5以上を目指せるように設定を見直すのがおすすめです。
まとめ|FX損切りの基本と実践方法をふりかえる
損切りは、FXでも株でも資金を守るための最重要ルールです。
「損したくない」という気持ちが判断を鈍らせる場面こそ、あらかじめ決めた損切りルールがあなたを守ってくれます。
FXの損切りついての要点とまとめ
- 損切りとは、逆行したポジションを早めに切って損失を限定する行動
- 目安はトレードスタイルや通貨によって異なるが、ドル円なら10〜30pipsが基準にしやすい
- 設定方法は「ライン」「時間」「金額」の3つの軸から決められる
- ルール化しておくことで、感情に流されずに損切りが実行できる
- 計算でロットを調整すれば、安全に一貫したトレードが可能に
実践の際のアドバイス
- エントリー前に「ここまで来たら切る」という損切りラインを決めよう
- 負けたくないときほど、損切りルールを守ることが大事
- 最初のうちは、「損切りできた自分」を褒めて、トレードの軸を育てていこう
損切りは、負けではなく次の勝ちにつながる準備です。
正しく損切りできるようになれば、あなたのFXトレードは確実に変わっていきます。
こちらの記事もご覧ください。