「FXの東京時間って、具体的に何時から何時まで?」「FXの相場は動くの?止まってるの?」
そんな疑問を持っている方は少なくありません。
FXでは、世界の市場が時間帯ごとに開いており、東京・ロンドン・ニューヨークという3大市場が存在します。
その中でも東京時間は、日本の個人投資家やアジアの参加者が中心となる落ち着いた時間帯で、EA(自動売買)や短期トレードにも適した特性があります。
本記事では、
- 東京時間の定義と特徴
- 他の時間帯との違い
- 東京時間に適したトレード戦略やEAの組み方
- 筆者が実際に行っているトレード例
まで、FX初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説していきます。
日本特有のごとう日の値動きにも触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
FXの東京時間とは?FXでの意味と時間帯

FXでは、世界中の市場が24時間リレー形式で動いており、主に3つの時間帯に分けられます。
- 東京時間(アジア時間)
- ロンドン時間(ヨーロッパ)
- ニューヨーク時間(アメリカ)
このうち、東京時間とは「日本の金融市場が開いている時間帯」のことを指し、日本時間の朝9時から夕方15時ごろまでが一般的な目安です。
■ 東京時間の主な特徴
- 東京市場(日本)、シンガポール、香港などアジア勢が主に参加
- 株式市場の前場(9:00〜11:30)や後場(12:30〜15:00)の動きに影響される
- 大きな経済指標が少なく、相場が安定しやすい時間帯
■ MT4での東京時間表示に注意
FXでよく使われるプラットフォーム「MT4」では、チャートの時間が日本時間とはズレていることが多いため注意が必要です。
- たとえば、MT4のサーバー時間がGMT+2の場合、日本時間9時はMT4上では4時になります(冬時間の場合)
- EAやインジケーターで時間を設定する際は、MT4のサーバー時間を確認して、日本時間に換算する必要があります
日本在住のトレーダーにとって東京時間は最も取引しやすい時間帯のひとつ。
MT4やEAでも、日本時間を基準に設計すると管理がしやすくなります。
FX東京時間の特徴とは?
東京時間は、FX相場の1日の中で最も穏やかな時間帯と言われることもあり、初心者やEA運用者にとって扱いやすい環境が整っているのが特徴です。
ここでは、東京時間の代表的な特徴をいくつかご紹介します。
値動きが落ち着きやすい(レンジ相場になりやすい)
東京時間は、まだ欧州・米国勢が市場に参加していないため、急激な値動きが起きにくく、レンジ相場になりやすいのが特徴です。
そのため、スキャルピングや逆張りなど短期的な値幅を狙う戦略と相性が良い時間帯でもあります。
指標発表が少なく、相場が読みやすい
東京時間は、欧米と比べて経済指標の数が少なく、相場の急変動リスクが低くなります。
とくにMT4やEAで「静かな相場向け」のロジックを使っている場合、安定した値動きの中で精度が出しやすいというメリットがあります。
日経平均やアジア株の影響を受けやすい
東京時間は、日経平均株価や中国・香港市場など、アジア圏の株価に為替が連動しやすい時間帯でもあります。
特に、株価が大きく動いたときは、クロス円(例:USD/JPYやAUD/JPYなど)でリスクオン・オフの動きが出やすいため注意が必要です。
日経平均株価との相関に注意
FXの中でもUSD/JPYは日経平均と特に連動しやすい通貨ペアのひとつです。
日経平均が上がるとリスクオン→円安(ドル円上昇)になりやすく、逆に株安になると円高になりやすい傾向があります。
東京時間の午前中は、「日経平均の寄付き後の動き」がその日の相場のヒントになることも多いです。
ごとう日(5・10日)に注意したい値動き
毎月5・10・15・20・25・30日などの「ごとう日」には、企業の輸入取引などによるドル買い(円売り)需要が強まりやすい傾向があります。
特に午前9:00〜10:00の間にUSD/JPYで買い注文が集中しやすく、仲値(TTS)決定前後に動くことが多いです。
ごとう日は「東京時間の午前中にロングが入りやすい」という統計的傾向があり、EAや裁量トレードでも活用可能です。
スプレッドが安定しやすい時間帯
東京時間は、欧米時間と比べて相場の変動幅が小さく、USD/JPYなどの通貨ペアでスプレッドが狭く安定しやすいという特徴があります。
これは、EA(自動売買)やスキャルピングなど、スプレッドに敏感な戦略にとって大きなメリットです。
MT4の環境でもこの時間帯は滑りやスリッページが少なく、トレードの精度が上がりやすいのがポイントです。
FX東京時間の相場と他市場との違い

FX市場は、24時間動き続けるマーケットですが、時間帯によって動き方の“性格”が異なります。
ここでは、東京時間・ロンドン時間・ニューヨーク時間の違いを簡単に比較しながら、東京時間の位置づけを見ていきましょう。
■ 東京時間(日本時間 9:00〜17:00)
- アジア市場が中心(東京・香港・シンガポールなど)
- 値動きは比較的落ち着いており、レンジ相場になりやすい
- 日経平均やごとう日、アジア株などの影響を受けやすい
- スプレッドが安定しており、EAやスキャルにも向いている
■ ロンドン時間(日本時間 16:00〜翌1:00頃)
- 欧州勢(イギリス・ドイツなど)の参加により流動性が急増
- 経済指標の発表も多く、トレンドが発生しやすい
- ロンドン市場のオープン(16:00頃)は特に要注意
- 東京時間のレンジをブレイクすることも多い
■ ニューヨーク時間(日本時間 21:00〜翌6:00頃)
- 米国勢がメイン。世界で最も取引量が多い時間帯
- 雇用統計やFOMCなど、市場を揺るがすビッグイベントが集中
- 終盤になると市場参加者が減り、深夜帯は一気に値動きが落ち着く
■ 時間帯別・ざっくり比較表(特徴まとめ)
時間帯 | 特徴 | 向いている戦略 |
---|---|---|
東京時間 | 値動きが穏やか・スプレッド安定 | レンジ狙い・EA(逆張り) |
ロンドン時間 | トレンド発生・経済指標多い | ブレイク・順張りトレンド系 |
ニューヨーク時間 | 激しい値動き・要人発言・ビッグ指標あり | スキャル・指標トレード |
FXの東京時間は「相場の準備運動」のような役割を果たしやすく、その日のレンジを形作る前半戦の時間帯とも言われます。
このように、他の時間帯と比べることで東京時間の静かで読みやすいという特徴がより際立ちます。
FX東京時間に適したトレードスタイル

FXのトレードにおいて、時間帯ごとの相場の特徴を把握することはとても重要です。
中でも東京時間は、相場の動きが比較的落ち着いており、FX初心者や自動売買(EA)にも向いている時間帯と言えます。
ここでは、FXで東京時間を狙う際に相性の良いトレードスタイルをご紹介します。
■ レンジ相場を活かした逆張りトレード
東京時間は大きなトレンドが出にくく、レンジ相場になりやすいのがFXにおける大きな特徴です。
この特性を活かして、価格の上下限で反転を狙う逆張りトレードが効果的です。
- 前日の高値・安値を意識した逆張り
- 東京時間に形成される狭いレンジ内での反発狙い
- 水平線やボリンジャーバンドを用いた戦略
このような手法は、FXの裁量トレードでもEAでも扱いやすく、ルールが明確なので初心者にもおすすめです。
■ スプレッドの安定性を活かしたスキャルピング
FXでは取引コスト(スプレッド)も重要な要素です。
東京時間はスプレッドが狭く安定しやすいため、数pipsを狙うスキャルピング手法にも向いています。
- 約定スピードが安定している
- MT4環境下でスリッページが少ない
- 高頻度のエントリーEAにも向く時間帯
ただし、FX市場が本格的に動き出すロンドン時間とは異なり、大きな値幅を狙うよりも細かく利確する意識が必要です。
■ 静かな相場に適したEAロジックの活用
東京時間のような落ち着いた相場では、静的ロジックに基づいたEA(FX自動売買)が有効に機能しやすいです。
- RSIやボリンジャーバンドを使った反転狙い
- 9:00〜13:45など、特定時間だけ稼働するフィルター付きEA
- ごとう日や日経平均の動きに合わせた条件分岐も有効
EAによるFXトレードでは、「大きく動く」よりも「動かない中でどう動くか」を読むことが、東京時間攻略のポイントです。
このように、FXで東京時間を狙うなら、「静かで読みやすい」相場に適した戦略を選ぶことで、精度の高い取引が可能になります。
FX東京時間だけを狙うEAもある?静かな相場を活かす自動売買戦略
FXのEA(自動売買)には、ロンドン時間やニューヨーク時間のような値動きが大きい時間帯を狙うタイプが多く見られます。
しかし一方で、東京時間だけに絞って稼働するEAも存在します。
その理由は、東京時間が値動きが落ち着いていて、想定外の急変が起きにくい“読みやすい相場だからです。
東京時間限定EAの特徴とは?
- 取引時間を「日本時間9:00〜13:45」などに限定
- 指標が少なく、相場が比較的安定している時間帯に絞って稼働
- スプレッドも安定しやすく、EAの成績がブレにくい
特にUSD/JPYなどの通貨ペアは、日本勢の動き・日経平均の影響などもあり、一定のパターンが出やすいため、東京時間との相性が良いとされています。
「動かない相場」を狙う戦略もアリ
東京時間のEAは、大きく値が動く相場を狙うのではなく、動かないことを前提にした逆張りやレンジ系の戦略が多く使われています。
これは、「値動きが静か」という東京時間の特徴を最大限に活かしたスタイルと言えるでしょう。
派手に稼ぐというよりも、安定して勝ち続けたいというタイプのトレーダーに支持されているのが東京時間EAです。
このように、東京時間に限定して動くEAは、相場の静けさを味方にする戦略として、今も一定の需要があります。
「朝だけトレードしたい」「派手なドローダウンは避けたい」そんな方におすすめできる選択肢の一つです。
筆者が実践している東京時間のトレード戦略

東京時間の前半は、相場の動きがまだ定まっていないことも多く、焦ってエントリーすると逆に振り回されてしまうことがあります。
筆者はこの“静かな始まり”を活かして、以下のようなシンプルな判断ルールで東京時間にトレードしています。
9:00〜9:30は、様子を見る時間帯
まずは9時〜9時半の30分間はエントリーせず、相場の流れを確認します。
この時間に出る値動きやローソク足の形から、
- トレンドが出そうか?
- それともレンジが続きそうか?
といった相場環境の地図を描くことが目的です。
トレンドが出れば「その流れに素直に乗る」
たとえば、USD/JPYで9:00〜9:30の間に高値・安値を切り上げて上昇しているなら、
その後の押し目でロングエントリーを検討します。
トレンドフォローにおいて意識するのは、
- SMA(移動平均線)より上にあるか
- ボリンジャーバンドの中心線を下から上に抜けてきたか
といったシンプルな基準で勢いを判断しています。
レンジならボリンジャーバンドなどで逆張り
トレンドが出ていないと判断した場合は、ボリンジャーバンドを使った逆張り戦略に切り替えます。
- ±2σタッチ → 反発を確認してエントリー
- ローソク足で反転の形(例:ピンバー、包み足)が出たら乗る
- 利確・損切は固定pips or BB中心線までの戻りを目安に設定
レンジ相場は値幅が狭くてもパターンが出やすく、東京時間の静けさと非常に相性が良いです。
このように筆者は、東京時間を「方向を見極める時間」→「条件が揃えばエントリー」というシンプルな手順でトレードしています。
EAでも応用できるルールですが、裁量トレードでも無駄なトレードを減らし、再現性のある形を意識しています。
まとめ|FXの東京時間の特徴を活かして、FXをもっと安定させよう
FXでは、どの時間帯でトレードするかによって、求められる戦略や考え方が大きく変わります。
その中で東京時間は、値動きが穏やかで、スプレッドも安定しやすく、指標リスクも少ないという点で、初心者にも非常に扱いやすい時間帯です。
- レンジになりやすく、逆張り戦略との相性が良い
- 日経平均やごとう日など、日本特有の相場要因に注目することで精度が上がる
- EAでも「東京時間だけを狙う戦略」が組まれており、安定運用が期待できる
筆者自身も、東京時間は「9:00〜9:30の相場観察」から始めて、
トレンドが出れば順張り、レンジならボリンジャーバンドなどを使って逆張りと、シンプルなルールで再現性を重視したトレードを実践しています。
東京時間は静かな相場を活かせる貴重な時間帯。
うまく戦略を組めば、日中の短時間だけでも十分に結果を出すことができます。
「午後からは仕事」「夜はトレードできない」という方にとっても、東京時間は無理なくFXと向き合える時間帯のひとつです。
ご自身のスタイルに合わせて、ぜひ東京時間トレードを取り入れてみてください。
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